「身体から意識へ ーファッション関連の商品開発の傾向」
森 秀男
ファッション商品は、服やバッグ、シューズの様に「物的」なものと、
ヘアカットやメークアップのように「非物的」なものがあります。最近
は、この非物的な、いわゆる「サービス」商品の開発が進んでいます。
また、人間の身体の体幹部を包む衣服から、腕や足をお洒落するバッグ
やシューズの人気が高く(グッチやプラダなどがその好例)、さらに、指
先や足先で楽しむネイルアートやフット・アクセサリーのように、身体の
末端、先端部に関心が移っています。
さらに、アロマテラピーやカラーセラピーの様に、五感を刺激して精神
的な安らぎが得られる様な、形が無く見えないけれど、なんらかの効能が
あるものへとシフトしています。
さて、ユニークな商品があります。「マイナス・イオン・ブレス」とい
うものです。ブレスとはブレスレットのことで、手首に飾る腕輪のアクセ
サリーのことです。特殊な製法により、トルマリン鉱石を効果的にブレン
ドし成型したファッションブレスレットです。
手首に付けるだけで、半永久的に発生するマイナスイオン・パワーで、
体内のイオンバランスを整えるそうです。これも見えないものの商品化で
あり、今後は科学的な効果を付加し、機能性を兼備したファッション・グ
ッズやアクセサリーの商品開発が進むことが予測されます。
以上をまとめますと、最近の商品開発は、物的商品から非物的なサービ
ス商品へ、「体幹部」商品から「末端部」商品へ、形あるものから形の無い
ものへ、見えるものから見えないものへ、と変化しています。
より精神的な安らぎや五感を満足させるものへ、そして、極めて感覚的、
生理的な方向に変化しています。
つまり、商品開発の関心領域が、身体から意識へと移行している、とも言
えます。
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