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「ADSLへの乗り換えで感じたこと」  

吉村功士
 
 
昨年の夏ぐらいから、ダイヤルアップからADSLに乗り換えようと思い、 資料を集めたり、プロバイダのHPを見たりしていました。
あるプロバイダの開通予定によると、私の住む地域はどちらかというと 回線の開通が遅いそうなので、予約をしました。
年内に開通するかどうか、というところだったので、それまでにいろいろ 調べておこうと思い、違うプロバイダや、予約をしたプロバイダのADSL についての説明ページを見ていたのですが、これがどこもわかりにくい! 自分の知識の無さと言われればそれまでですが、特に思ったのは、 ・初心者にはむつかしいIT用語がたくさんある。
・導入までのフローチャートが、大事なところまできて、突っ込んだ説明 が無い。
・導入前のインターネット環境などによって状況が変わってきたり、プロ バイダによって、これはできないなど、自分の状況や求めるものに応じ て選択肢や注意しなくてはならないことが多いのに、そのあたりの説明 がユーザーの立場に立ってなされていない。
(自分のところのADSLが如何にいいか、という説明ばかりが最後まで 多すぎるように思います。)

こういう問題があって、私もIT用語辞典片手に、HPの同じところをぐる ぐるまわって迷子になりながら(ほんとに迷子になるんです、○○につい てはこちら!っていう案内に従ってクリックすると、さっき見たページだっ たりします。)、それでもよくわからず、危うくダイヤルアップには対応して いない、メールアドレスは変更になる、ということも知らずにそのプロバイ ダに乗り換えてしまうところでした。

結局「なぜこんなにわかりにくいのか」とどこか腑に落ちない思いを抱い たまま、ADSL関係の書籍も数冊購入し、やっとその概要と注意しなく てはいけないことぐらいは見えてきて、無事、今までのプロバイダでプラ ン変更することにし、今は快適なインターネット生活を堪能しています。

それにしても、プロバイダだけでなく、電話局やパソコン・周辺機器メーカ ーへもADSL関係の問い合わせの電話は殺到しているらしく、もう少し注 意点やチェックシートのようなもので、わかりやすくまとめて頂けたら、と 思います。

今回の経験を通じて考えさせられたのは、「こういうことがわからないのは 自分が悪いのか、供給者側に問題があるのか、そのどちらもだろうか?」 ということです。

私もパソコンやインターネットを少しはわかっているつもりですが、それで も今回、苦闘続きでした。 ましてや高齢者やまったくの未経験者の方などは、私の数倍わかりにくい はずです。

デジタルディバイドが問題視され、政府もe−japan構想などに取り組ん でいますが、IT教育に関しては、もっと社会全体で、その機会や内容を 真剣に構築し、推進していかないと、快適な生活になるはずが、かえって 不便になったり、予期せぬ不利益を被ったり、相手に迷惑をかける結果 となってしまいます。

これを防ぐには、確かに、このADSLの例のように、供給する側も、自分 たちのレベルではなく、実際に使用している消費者の視点で説明しないと、 顧客満足を得られないばかりか、不満を買ってしまうということもありますが、 それ以上に、一企業や一個人だけの問題ではなく、高い専門技術や専門 知識を噛み砕いてわかりやすく伝えていく、現実に有効利用できるように するという役割が高く評価され、そういう役割が育ちやすくなるような社会 環境作りを進めていくということが、これからの生活を本当に豊かにしていく 上でも、必要なことなのでは、と思いました。

豊かで高度な社会になればなるほど、このような技術や知識に関するアドバ イスを行う立場の人(アドバイザー、コンサルタント、技術者、インストラクター 、医師、先生、教授、監督、ホテルマン、ソムリエ・・・すべて該当すると思いま す)の必要性は高くなると思いますし、一方で、その役割を担ううえで、内容を わかりやすく伝えるためにも、相手の気持ちや立場を深く理解する、ということ が必要不可欠な要素になっていくと思います。
「人に伝える・教える」という能力・感性が、顧客満足の達成においても、企業 や社会、家庭、教育の現場でも、やはりものすごく重要なのですね。