TOPICS54 もどり

「百貨店の同質化の現状とその対応策」
 
森 秀男

■ 最近、百貨店の商品政策と売場開発が、少しづつであるが、オリジ ナル志向を強めている。低価格の製造直売型専門店に対抗するために、 差別化、付加価値を高める戦略である。

例えば、西武百貨店のディレクション・ショップ、伊勢丹のユニット ショップ、三越百貨店の戦略平場、新宿高島屋のヤング・ストリート 系ショップ、銀座松屋のソーホーズ・ルームなどの「自社開発・編集 型ショップ」であり、他店でも様々に対策が取られている。

■ しかし、まだまだ全体から見るとその割合は、微々たるもので、百 貨店の同質化から脱してはいない。その現状を、繊研新聞社のレポー トを一部編集してまとめてみると、以下のようになっている。

百貨店では、レディス・ファッションが大きなシェアを占めている。 最近は、雑貨商品、特に靴、バッグ、アクセサリー、化粧品の伸びが 顕著である。これは、百貨店の顧客の70%以上が女性客であり、フ ァッションが最も効率が良いためでもある。

百貨店の平均売上構成比(2000年)をみると、婦人服25.3%、 紳士服8.2%、子供服3.0%(衣料品合計40.1%)であり、身の 回り品10.7%、雑貨12.5%となっている。

10年間で、百貨店の売上は約6000億円減少したが、婦人服と身 の回り品だけは着実に増えている。婦人服で約3500億円(約20 %増)、身の回り品も約2000億円(28%増)。この2部門が百 貨店の収益源となっている。

このままでゆくと、紳士服、子供服などが、ますます縮小し、百貨店 の品揃えのアンバランスが顕著になり、面白みが無くなる。「夢を売 る百貨店」が「夢の無い百貨店」になり、同質化現象が進む。解決策 の重要な一つが、新しいライフスタイルを提案する斬新な切り口のM Dが不可欠である、と報告しています。

■ その上で、今後の対策は、店舗全体の差別化コンセプトと戦略ター ゲットを確立し、顧客の圧倒的な囲い込みを推進すること。そして、 冒頭で述べた独自の開発・編集型ショップを展開し、他店との差別化 戦略を押し進めること。さらに、自社のストア・カードによる顧客の 購買履歴データを活用し、個人顧客の満足度の向上を徹底追及するこ とが、最重要課題である。