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「スーパーの年中無休・営業時間延長は本当に必要か?」 ![]() 鳥居 順子 |
「消費不況」と呼ばれて久しい現在でありますが,中でも総合スーパーを取り巻く環境は出口の見えない状況が続いています。 |
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第一の問題が売場の人員対策が全くなされないまま,ただ営業時間だけ増やしているということです。多くの場合,早番・遅番を組み,交代制で勤務をしてますが,営業時間が長くなれば長くなるほど単位時間あたりの売り場にいる人数は減ることになります。それに加え,早番・遅番の両者が揃って仕事をする時間が減ることにより,従業員同士のコミュニケーションがうまくいかないという問題も発生します。 第二の問題は営業時間の延長に対応した商品政策がなされていないことです。例えば,閉店間際に買い物に行っても買いたいものは既に売り切れているといったことです。このことは深夜に買い物に来てくれた新規のお客様を政策ミスで逃していることになり,せっかくの時間延長が全く生かされていないということになります。 このような結果,せっかくの時間延長も売上のアップにはつながってはいません。それどころか新規顧客の獲得に失敗したうえに既顧客の満足度も上記のような理由で低下させてしまっているのではないかと思います。そして閑散とした店内で働いている従業員の満足度も低下しているのではないかと思います。 このような状態では本当に「ただ開いているだけ」です。お客様がこなければ煌々と輝いている電気や人件費も全部無駄に終わります。利益をあげなければ投資もできません。今すぐ対策を立てなければこの悪循環は永遠と続いてしまいます。 何だか限界に来てしまった観がある流通業ですが,中で働いていた私からするとまだまだ仕事に無駄もありますし,改善の余地があると思います。 もう一度,原点に返ってお客様のためのお店になるために動き出して欲しいと思います。 |
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