宮澤 洋子

2005年2月26日から3月5日の8日間に渡り、長野市を中心に知的障害者のオリンピックである「2005スペシャルオリンピックス冬季世界大会・長野」が開かれクロスカントリースキー、スノーボード、アルペンスキー、スピードスケート、フィギュアスケート、フロアホッケー、スノーシューイングの7種目の競技が長野市を中心に開催されている。
私はこれまでスペシャルオリンピックスを知らなかった。世界に1億2000万人ほどの知的障害者がいるといわれているが、1960年代に、故ケネディ元大統領の妹が家の庭を開放して知的障害者のためにディ・キャンプをしたのが活動の始まりである。スポーツを通じて、目標を達成する喜びや、がんばったことを認めてもらうことで障害者の自立を促すことができるといわれている。
この大会にあたり自分の目で競技を見てみたいと思い、フロアホッケー(ドーナツ型のパックをスティックを使い相手方のゴールへシュートし得点を競う。フロア(床)の上で行われる。)の会場へ赴いた。競技の様子をみると国歌斉唱や国旗掲揚はなく、国と国の勝負ではない、昨日の自分を越えようとしている一人一人のアスリート達の姿があった。今までスペシャルオリンピックスの活動を知らず観戦する機会もなかったが、ルール本を手にし普通にスポーツ観戦するのとなんら変わりない、おもしろい、エキサイティングな場面もあり見応えがあった。
この大会運営はボランティアに頼るところがとても大きい。みんな気さくで、少しでも迷っていたりすると声をかけてきてくれる。これも大会を盛り上げようとする心意気があるからだろうと思う。ともに集まり楽しみあうことでお互いを認め合い理解しあう社会を築いていくことができてこそ長野大会の成功であろう。10年、20年後に振り返って「ああ、長野大会が始まりだったのだ。」と思える、ハートフルな優しい社会の一員であるために自分ができることからはじめていきたいと思った1日であった。
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