高根沢 文子

先日、友人から出産祝いに娘の名前入りのフォトフレームをいただきました。その小包から感じたCSをご紹介します。
「小包からCS」って、皆さん感じたことはありますか?私は始めて”小包からでもCSは伝わるのだ”と感心させられました。
そのお店は店舗を構えながらオンラインモールの「楽天」にも出店している、『シルバースミス ニバック』(詳細下記※参照)というお店です。店主とその奥様がお二人で営んでいらっしゃるこじんまりとしたショップです。今回は、友人がネットを通じて商品を注文し、我が家にその商品が届きました。
CSを感じたポイントは、3つあります。
1つ目は、その包装の丁寧さです。
その小包は、まず小さなダンボール箱に入っていて、それを開けると紙を細長く切った白いふわふわのクッション材に守られるように包装された商品が入っていました。その包装が、とても丁寧なのです。包装はいたってシンプルで、長方形の包みに、斜めに蝶結びのリボンが結んであるだけです。しかし、包装の角々は丁寧にそろっているし、リボンの長さも左右対称で、細部にまで気配りが行き届いていると感じさせる出来でした。そこまでであればデパートの包装と同じなのですが、どこか温かみがあるのです。どうしてかとまじまじと眺め気づいたことがありました。それは、折り目に柔らか味があるのです。紙の厚みのせいなのか、包装の方法なのかははわかりませんが、全体的にふんわりしていて、とても懐かしい感じでした。それはまるで、幼い頃友人からもらった誕生日祝いの包装のようでした。その包みを手にとると、丁寧に時間をかけて包んでいるのだろうなぁということが、不思議と伝わってくるのです。
2つ目めは、センスの良さです。
包装紙の配色が統一されていて、リボンなどの装飾も色のバランスを考えて計算されていました。深い青の包装紙に、赤のギンガムチェックと白無地の透けるオーガンジー素材のリボンが結んでありました。後に紹介するグリーティングカードの文字の色や送付状の社名ロゴまで、同じ深い青を使用し、全体的な一体感を作り上げていました。また、名刺大のグリーティングカードも添付されていました。カードは名刺大の2つ折りで、子供の名前とお祝いの言葉、装飾としてテディーベアのシルエットが白とピンクの細かいストライプで描かれており、その胸元に立体的なピンクのリボンが付けられていました。台紙は白で、文字は包装紙と同じ深い青でした。可愛らしいカードからは、センスの良さと温かい手作り感が感じられました。
3つ目は、商品送付状の配慮深さです。 内容を、以下に一部紹介します。 「○○ちゃんのお誕生おめでとうございます。
△△様のご依頼で、○○ちゃんのベビーデータを刻印いたしました<ベビーフォトフレーム>をお送りいたします。 どうぞ末永くご愛用ください。当社の商品を無事に□□様にお届けできますよう『紙』のクッション材に包んでお送りしています。お手数ですが、お住まいの地域に合った処理をしていただければ幸いです。 (以下 依頼主の連絡先、店舗の連絡先等 略)」クッション材に関しても”地域に合った処理を”など、店主の環境に対するポリシーも垣間見ることができました。その商品をお客様が手に取った後のことも考えていないと出てこない一言だと思いました。
もちろん商品のフォトフレームも、とてもステキな品です。2つ折りのフレームで、片側に写真、もう片側に娘の名前や生まれた時の体重、身長、日時が刻印されています。印字の周りには、風船や熊など可愛らしい浮き彫りの装飾も施されています。ベビーデータが刻印されたフレームは、まさに世界に1つしかない商品です。新しい家族を迎えた我が家にとっては、特別な記念の品になりました。
全体的な印象として、とても丁寧な接客のお店で、心温まるもてなしを受けたような気分で、心がホンワカとしたことを今でもはっきり覚えています。そして、小包を開けた瞬間から、フォトフレームを目にするまでのワクワク感と共に、
細部にまで行き渡ったその丁寧な配慮から、商品とそれを受け取るお客様を大切にしている店主の気持ちを感じました。
きっとそこには、世界に1つしかない商品を手にするお客様のことを十分に考えた上での様々な”おもてなし”が施されているからだと思いました。小包一つでも、店主の気持ちは十分に伝わるのだと始めて知った事例でした。このようにお客様のことを考えて丁寧に小包を包装しているお店であれば、それ以外のサービス等にもきっと行き届いた配慮があると感じさせられました。
実はあまりにも感動したので、店主にお礼のメールを送ったところ、以下のような返信が届きました。「(略)お褒めをいただきまして妻とふたりで嬉しくなりました。カードの作成も含めたラッピングのトータルコーディネートも全て妻が担当しています。商品としての付加価値を高めているのは、妻のデザイン力と手間隙を惜しまない努力に負うところが大きいのです。(略)」
なるほど、ダンナ様の制作した商品や、お二人で厳選した商品を慈しんで包装している奥様の姿が目に浮かびます。
そのフォトフレームは、今も我が家のリビングテーブルの上に飾られ、それを見るたびに”小包から感じたCS”を思い出し、心が温かくなっています。
※<シルバースミス・ニバック>
実店舗&工房 : 東京・調布
お問合せ電話番号 0424-89-7351
営業時間12:00〜18:00 水曜定休
楽天市場店 : 24時間営業 年中無休
http://www.rakuten.co.jp/nibac/
|
|