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色を混ぜるとは

森 秀男



今回のテーマは「色を混ぜるとどうなるか」というお話です。
色彩では、色を混ぜることを「混色」といいます。


●まず、色の世界には、物質的な色である「色料(しきりょう)」と、
光の色である「色光(しきこう)」の2種類があります。
色料には絵の具、ポスターカラー、印刷インクなどがあり、色光は
照明、スポットライトなどがあります。


●色料の混色
このタイプの色を混ぜますと明度(明るさの程度)が低くなり、
彩度(鮮やかさの度合い)も低下し濁ります。
色料の3原色(マゼンタ、イエロー、シアンブルー)を同時に混ぜま
すと、黒に近い暗い色になります。

絵を描くときは、絵の具を混ぜれば混ぜるほど、色が濁って暗くなり
ますので、注意しなければなりません。そのために、考案された画法が
印象派の「点描法」で、キャンバスに直接に筆を点の様に置いて描く
ことで、遠くから観て色が混ざった様に見える効果を狙ったものです。


●色光の混色
照明などの色を混ぜますと明度が増して、明かるくなります。
色光の3原色(オレンジレッド、グリーン、バイオレットブルー)を
混ぜますと、白に近い明かるい色になります。

舞台美術で、登場人物にスポットライトが当たりますと、その人物が
特に明るく浮き上がって見えます。この演出効果は、光の混色を応用
したものです。


●私たちの生活は色で囲まれています。意識するしないに関わらず、
色は暮らしに様々な影響を与えています。

このような色の性質を理解して、日常の生活の中で何かのヒントと
して活かしてはいかがでしょうか。