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ごみ袋の有料化

広川 友美



私の住んでいる高松市では、10月1日からごみ袋が有料化されます。有料化に伴って、『家庭ごみの正しい出し方』というマニュアルが全家庭に配布されました。

有料対象は、生ごみや紙くずなどの「燃やせるごみ」とプラスチック製品、ガラス、アルミホイルなどの「粉砕ごみ」です。大62×45×20cm(40円)で販売される指定収集袋に入っていないものは収集してもらえません。事業系ごみは、事業主が責任をもって処分することになっています。また、「粉砕ごみ」には、ペットボトル、ラップ、ポリ袋、食品トレイといった「プラスチック容器包装」は含まれず、「プラスチック容器包装」は無料のままです。

毎日の生活で出る「ごみ」ですから、ごみ問題を意識する場面も増えました。私が驚いたのは、以外と市民の反応が好感触であったことです。指定ゴミ袋はスーパーやドラッグストア、ディスカウントショップの出入り口付近に高々と積まれ、どんどん売れています。また、周りで「有料化」について直接不満を口にする方もほとんどいません。やはり「ごみ問題」についてはある程度責任や危機感を持っている方が多いのではないでしょうか。

私はたまたま高松市内のスーパーに勤務しています。

スーパーのレジでの接客で気がついたのですが、「プラスチック容器包装」は有料化対象外であるにもかかわらず、レジでの簡易包装を求める方は格段に増えました。例えば、傘をお買い上げ頂いた場合、これまでは、「簡単に印に紙を巻かせていただいてもよろしいでしょうか」とたずねていたのですが、「すぐ使うから値札等もはずしてシールでいい」と答えるお客さまが増えています。袋も今までは、「靴」「下着」「食器」「衣料品」は別の袋に入れたり紙で巻いたりしていたのですが、「一緒でいい」とリクエストされる方もふえました。出来るだけ小さくまとめて、といわれ、こちらが逆に「しわになりますが、よろしいですか」と尋ねる場面も増えました。これまでの丁寧=完全包装=サービスという考え方も変化しなければいけないのかもしれません。

『お中元』や『お歳暮』といえば、きちんとした箱にいれて、お熨斗をつけて、人によっては普通に包装したあと、運送便を利用して贈る都合で、さらに2重に包装を求める方もいらっしゃいます。これも簡易包装がだんだん主流になってきました。積極的に直接、接客で「簡易包装」を薦めることはできませんが、店内マイクやパンフレットには、「先様へのごみを減らすのも新しい心遣いです」という文句が必ず、添えられています。

次に驚いた変化が「休憩室のごみ」です。今までは、紙に書いて「ごみ分別の仕方」を掲示してみたり、ゴミ箱のふたに分別の区分ややり方をテプラで張ったりしていましたが、結局「雑ごみ」ばかりが増えて、分ける方はほとんどいませんでした。今回の有料化に伴って、働く方の大部分を占める主婦のパートの方が「高松市はうるさいからねぇ」と笑顔でいいながら、自ら進んでごみを分別する方や、分別をせずに「雑ごみ」として処理しようとしている人に対して、注意をしている場面を何度か見ました。実際に「ごみの分別」については、一人が間違った分別をすると残りの10人がきちんと分別していても、違うごみが混ざったゴミ袋は「きちんと分別されていないごみ」=「雑ごみ」に分類されているのです。

有料化まであと3日、私も10袋400円の袋を買ってみました。

まだまだ、買い物袋の持参率は4・4%(03年10月5日 グリーンコンシューマーかがわ調べ)と低調です。それでも、「循環型社会」に近づけるように、有料化をきっかけに社会全体が少しずつ変わっていっている気がします。