TOPICS50 もどり
 
環境教育について
日比野 恵理子
   
 24時間いつでもコンビニへ行けば欲しいものが簡単に手に入り、夏には、冷房の効いた部屋で暖かい物を食べ、冬には暖房を効かせた部屋で冷たい物を食べたりできるのは、私たちの生活の中では、ごくごく当たり前のことになっています。しかし、それには大変なエネルギーを要していることに一体どのくらいの人が気づいているでしょうか。
 今、学校では、資源の大切さを教えるために様々な取り組みがなされています。ある小学校では、電気の使いすぎを一目で理解できる「省エネナビ」システムを設置したそうです。また、牛乳パックを回収し、それを廃品回収に出して得たお金で老人ホームにスリッパを寄付したところもあります。私の体験をお話しますと、小中学校の子供たちと一緒に、町内のクリーン活動や廃品回収をしました。ゴミを拾っている道端には、タバコの吸殻、飲料の容器はもちろんのこと、フライパンまでもが棄てられていました。また、古紙を集め、分別していると心無い人のいい加減な分別で返って手間がかかり苦労しました。
 しかし、こういった取り組みも単なるマナー教育で終わっているようなところはないでしょうか。例えば、マイバックが良いとわかっていてもなかなか消費者に浸透していかないのはなぜでしょう。また、ペットボトルがリサイクルにかなり負荷を与えているとわかっているのに、どんどん増え続けていくのはどうしてでしょうか。私には、環境教育の大事さが唱えられているにもかかわらず、依然として企業を軸とした利益優先の社会システムが残っている気がして仕方がありません。
   
 これからは、「自分一人ぐらい」ではなく「自分だけでも」という意識を常に持つような一つの商品のライフサイクルをきちんと認識させる教育が必要ではないかと思います。今、地球環境は危機に瀕しています。一度ゆがんでしまった自然を復元するには、大変な時間を要するでしょう。環境について学習することは一過性、局所的なものではなく、一生涯、ありとあらゆる時、あらゆる場所で皆が学びあい、そしてその知識を実行しあうことが大事ではないのでしょうか。