TOPICS31  もどり

☆タイトル「 IT戦略セミナー参加して」
 
日比野恵理子

先日、学習院女子大学の江口教授のセミナーに参加したレポートをさせていただきま す。
私は、前回のアドバイザー論文試験の際に、企業経営を選択しました。その課題は、 企業のIT経営の今後の課題などについて問うものでした。内心、私としては、ある程 度、書くことができたと思い込んでいたので、話を伺うことにより、どこが、自分の 論文でマズかったのか、確かめたい気持ちがありましたし、どうしても、専業主婦と いうハンディを少しでも克服する為に、幅広く知識を吸収したいとの思いもあったか らでした。

「IT革命で伸びる企業とダメ企業」


1.現在の市場背景
確かに不況ではあるが、若者が、ブランド品をたくさん持っているような状況は、決 して購買意欲が低下しているのではなく、市場は豊かなのである。また、欧米の企業 は、土地や建物、資材等のコストは1/3程度になり、即戦力となる有能な中高年は リストラで、今までよりも低賃金で確保も出来るという点で、現在の日本ほど、起業 機会に満ち満ちている場所はないし、こんな市場でうまく行かない方がおかしいと見 ている。

2.顧客は“わがまま”である

企業論理からすると、顧客は“わがまま”に見える。人は、知識、経験を持てば持つ ほど、選択肢が広くなり、比較対象が増えるから至極「当然」である。“わがまま” という言葉だけで片付けるのではなく、見方を変えると、これは、顧客のニーズ、す なわち、新しい市場という発見になる。

3.良い企業とダメ企業

良い企業とは、それでも、なぜ売れているのか?(売れることが不思議という認識) を持った顧客の視点に立つ謙虚な企業である。オフィス投資を人材投資、ESとみな し、ITはお客様の為に使うと考えれば、それは、経費ではなく、立派な投資であるか らだ。そして、ITにより、情報の共有化、直結化を上手に活用する。具体例として、 セブンイレブンやクロネコヤマト社のCSやクイックレスポンスを上げた。 ダメ企業とは、なぜ、売れないのか?(過去の常識でしか動かない)という視点でし か考えられない企業である。オフィス投資を設備投資とみなし、差別化戦略や企業文 化にばかりこだわる。

4.戦略は見える

フォード社は、安全性と環境という戦略を実現する為にボルボ社と提携、次に、電気 自動車を開発するノルウェーのベンチャーを買収するなど、他社が真似したくてもで きない、また、投資の対象にもなるような戦略をしてきた。また、GM、ダイムラー、 フォード部品調達ネット統合するが、忘れてはならないのは、インフラにおいては、 競合他社と手を組むが、マーケティングの世界では、決して、手を組んではいけな い、つまり差別化をするべきである。

5.21世紀の方向性(フォード社を例に)

メーカーはマーケティング・カンパニーとなる、つまり、CSを実現する企業である。 自動車販売は、単なる自動車だけではなく、そこに生じる付加価値構造に目を向け る。自動車を買えば、必然的に付随するサービスが発生する。大量生産、大量販売 は、受注生産・環境重視となり、B to Oの世界になる。チャネルの淘汰のみな らず、企業内でも、営業が不要になるだろう。工場資産の活用は、インターネットの 活用となり、それは、ポータルビジネスとして発展する。一国の企業は、グローバル 企業へ変貌する。

6.マーケティング戦略のトレンド

1990年以前は、ライバルは企業であったが、1990年以後は、ライバルは顧客 になった。今や、顧客は“個”客である。つまり、One to One マーケティングであ る。CSとは、ITによって、サービス、スピード、クオリティをアップさせ、コストを ダウンさせることだ。

7.CSが全ての原点であり、CSには、情報が不可欠である

時代、市場(常識)は変化する。よって、常識は常に変えていくものである。そし て、企業にとって最大のライバルは顧客である。業種の発想から、業態の発想へ。経 営資源は、ヒト、モノ、カネ、情報、技術、時間の6つだと言われてきたが、7番目 の最大の資源は“顧客”である。これを、いかに資産化できるかが勝負である。安定 =大企業という時代は終わった。これからは、安定=変化(新しい常識)=進化の時 代になる。つまり、「新化」・・・経営に新しいルールをどれだけ入れたか?「深 化」・・・一回捉えた顧客を限りなく顧客にする。One to Oneマーケティング、リ レーションマーケティング「芯化」・・・できるだけ、太いパイプにする。マインド シェアを狙う。「親化」・・・フレンドリーな企業になる。 マーケティングとは、セリング(押し売り)をやめることであり、顧客が価値(価 格)を決めるリバースマーケティングが理想である。

以上、受け売りではありますが、簡単にまとめてみました。何気ない気持ちで、参加 したセミナーでしたが、いざ、話を聞いてみると、CS研に繋がるテーマばかりで、驚 きました。また、話を聞いて、レポートしていくうちに、論文試験に失敗したポイン トがよくわかりその点でもわたしにとっては、二重三重に勉強になったよいセミナー でした。