TOPICS20  もどり

☆タイトル「ユニバーサル・ファッション協会の理念と活動」
(その第ニ回)」
 
森 秀男
●ユニバーサル・ファッションの分類
 ユニバーサル・ファッションの三領域
  身体機能やサイズへの対応により、ユニバーサル・ファッションを分類すると、以下の3領域
  になる。

   FI : サイズや体型に不満をもつユーザーへ対応した一般商品
   F2 : 機能性に配慮した商品(共用ファッション、ユニバーサル・ウエア)
   F3 : 介護衣料や障害に対応した専用品

●参考商品例や対応方法の例としては、

   FI : 
     ・サイズ展開を増やし、どのような体型でも美しく見せる、着やすくするなどの配慮が必
     要である。
         イッセイ・ミヤケ「プリーツ・プリーズ」
         オンワード樫山「ペプラム」

   F2 : 
      ・手指が不自由な人のために、マジックテープやファスナーで着脱しやすくした衣服
      ・肩が上がらない人のために、袖付けを広くして、着脱しやすくした衣服
      ・機能性素材(保湿効果や難燃性の高いもの)を使用した服

   F3 :
      ・車イス用のウエアやレインコート
      ・病院などでのリハビリや、治療のための服
      
●ユニバーサル・ファッションの位置づけ
 ・ユニバーサル・ファッションは、身体機能を補う機能性と、時代感覚を取り入れたファッショ
  ン性の、  ほど良いバランスが求められる。
      
 ・ユニバーサル・ファッションは、中高年齢層を主体としながらも、かなり巾ひろい
  世代をカバーするものであり、ファッション性は、十分に取り入れられる必要がある。

●ユニバーサル・ファッションの市場規模予測
 今後のユニバーサル・ファッション関連の市場規模を予測してみると、高齢市場は拡大
 するが、それ以外の一般市場は縮小してゆく。
 65歳以上の高齢世帯の被服および履物市場は、以下のように大きな成長が見込まれる。

      2000年  1兆3、354億円
      2010年  1兆7、179億円(29%増)
      2020年  2兆430億円(53%増)

 一方、15歳から64歳までの一般市場の人口を基準に考えると、その市場規模は、
 2020年までに約15%の縮小となる。65歳以上の高齢層の人口が、14歳以下の
 低年齢層の人口を抜き、大体2000年頃に、人口構成において逆転する。