TOPICS1 もどり
2000−6−21 タイトル:日本経営品質賞受賞企業「夷隅ゴルフクラブ」でプレーをして (幹事の方へ宛てた報告とお礼) 渡邉 征二 2000−6−21 タイトル:日本経営品質賞受賞企業「夷隅ゴルフクラブ」でプレーをして (幹事の方へ宛てた報告とお礼) 渡邉 征二 先日は天候にも恵まれて楽しく、かつ有意義な一日を過ごすことが出来て有り難うございました。ゴルフをしながらの勉強もなかなかおつなものですね。前日からのおいしい料理と旨い酒、結構な持てなしも印象に残りました。貴兄が何度も足を運ばれている理由も良く分かりました。 印象を簡単にまとめました。ベンチマーキングの勉強も不十分で、しっかりした内容になっていないかも知れませんが、感じた事と出会ったことを列挙します。 1. 全体として(旅館もクラブも)、「さりげない」というサービスの姿勢がとても良かったです。「なにげない」中から生まれてくるサービスといった感じでした。気をつけていないと見過ごすようなサービスがあちこちに散りばめられていた様に思います。 2. 良かったと思う事例を次のような場面毎に上げてまいります。 --------------------------------------------------------- A. ゴルフ場で A−0 全体的な事柄 A−1 プレー中に(主にキャディーさんについて) A−2 食堂で A−3 フロントや洗面所、風呂などで B. 旅館で、 --------------------------------------------------------- A−0 全体的な事柄 次に述べるどの場面に於いても、職員の言葉使いや物の言い方、声の出し方などに嫌みが無く、平常心でいられました。毎日聞いている(聞かされている?)JRの駅や車内の放送、新幹線の物売りの人たちの癖のある言い方で感じる嫌みが全く感じられませんでした。(因みに小田急などの私鉄では、もう25年近く前から車内放送の訓練をしていると、乗っていて分かります。) A−1 プレー中に (1)−1.スタートに際して、クラブが要求している3つのマナーの説明があったのは嫌みでもなく素直に聞き入れられるものでした。そこにプレヤーの安全とプレーの場であるティーグラウンドやグリーンを大切にしたいという意志が感じられました。因みに3つのマナーとは @安全上、打席に立つ人以外はティーグラウンドの外にいて欲しい。 Aティーグラウンドで打った後は使わないティーグラウンド(今回の場合はフロントティー)を避けてフェアウェイに行って欲しい。 Bグリーンではディポットは必ず直して欲しい。(その為の用具ティーペグを貸してくれた) (1)−2.ティーグラウンドは勿論、フェアウェイでも打った直後に芝生が傷んだ部分に砂を入れて養生していました。(私などはプロがやる草履のようなターフは取れない のですが) (1)−3.フェアウェイも他の多くのゴルフ場で多く見られるターフで切り取られた芝生の跡も少なく、プレーの場所を良く保つ為に、隠れた努力の跡が有るのだろうと伺われました。 (2)−1.芝は勿論、樹木や下草もきれいに手入れされていました。芝刈り機での作業に遭遇することは、多くの場合無機質なエンジンの騒音などで良い気持ちのしないもので すが、今回は一回遭遇しただけでした。またその時はエンジンの音はしていなかった様に記憶しています。 (名門コースと呼ばれるゴルフ場でも何度かプレーしたことがありますが、それらに 並ぶとまでは断言出来ない‥景色や風格の点で‥までも、名門コースでは、芝刈り 機での作業に遭遇しないとか、芝・樹木の手入れが行き届いていることは共通して います。粗雑なコースでは芝生が欠けていたり、植えたばかりだったり、切り崩した石や岩がごろごろしている例なども見ましたが、そういう事は一切無かったです。) (2)−2.これらの手入れは何時やっているのかを質問したところ、「今の時期は7時頃まで明るいですしね、プレーが終わってからやります」との答えでした。やはりプレー 中は出来るだけ避けているのだなと感じました。 (3)−1.売店のある所では、次のティーグラウンドに立つまでに、前に何組待っているかを示す数字が有りました。訳を尋ねたら売店の売り上げ増に寄与する為だそうです。 (この数が多ければ売店でゆっくりお休み下さいとの意味)ここで職員間の連携プレー(キャディーさんと売店との)を教えられました。ここで特筆すべきは、定量的に数字を出すことで、より具体的な時間の目安を与え、自分たちの出発時間までの安心感を与えることと、遅れない様にと言う警告も暗に出しているのでしょう。 (4)−1.プレーが遅れて前の組との間が空いた時のキャディーさんの対応を後で聞いた時にも「職員間の連携プレー」を教えられました。遅れている当の組キャディーさんが 直接言うのは角が立つから、後続の組のお客さんから早くして欲しいと言っているというように、やんわりと言うような事をするとのこと。これらの事についてキャディーさん相互の合図も有るとのことを聞いて、なるほどと感心しました。 (5)−1. 他の組の「ふぁー」と言う声を聞いたら(打ったボールがあらぬ方向へ飛んだ場合に、他のプレーヤーにぶつかるといけないので、注意を呼びかける合図)「後頭部を手で守って小さく屈んで下さい」と言う注意も、内容が具体的で的確な事に感心しました。 ただ「注意して下さい」よりよっぽど良いと思います。 (6)−1.キャディーさんがプレーヤーの個性や特徴を見抜く努力をしていると思います。 他のゴルフ場でも出会ったことなので夷隅がことさら優れている訳でも無いのかも 知れませんが、私の場合次の特徴が有ります。グリーン近くから寄せるには通常ピッチングウェッジを使いますし、私もそういう事が多いのですが、グリーンがすぐ近くの場合、5番アイアンで転がすのが私流です。やがてこの癖を覚えて、グリーン周りに来ると5番アイアンを持ってきてくれる様になりました。 (7)−1.距離、風の影響、OBの指示などは的確でしたが、これは多くのゴルフ場と大差 ない程度と思います。 (8)−1.ボールを探してくれる事も他のゴルフ場と大差ない程度と思います。 (9)−1.プレーに先だって、腕時計を外してゴルフバッグに入れようとしたら、それを見てキャディーさんが「時計が傷むといけないから」と言ってクッションのあるポリ袋 をさっと差し出してくれました。今までに経験した事のないサービスでした。 <<プレー終了後>> (10)−1.ズボンの足下をはたきではたいてくれましたが、いずれ靴も含めてエアーブラシをかけるのだから、あまり有り難みを感じませんでした。 (10)−2.アンケート記入については、言葉少なにいきなり目の前に出された感じで、強制的な印象でした。旅館のアンケートのように、出すも出さぬもこちらの勝手にし て欲しいと感じました。アンケートはあくまで企業の都合であり、こちらの義務ではないと思います。義務と感じさせない心使いが、大切だと思います。 (10)−3.なおアンケートの設問で、プレーの中で遭遇しなかった項目については「大変良い」という所には丸を付けづらかったので、その次の評価にしてあります。アンケートの分析と利用についてはこういう事もあるのだと知っておいてもらった方が良いのかも知れません。 A−2 食堂で (1)極く普通に「さりげなく」サービスを受けている感じ。いやな感じを受けることは 有りませんでした。料理を運んでくるタイミングは、同行した3人が同じ料理を頼んでしまったので、当然同時でした。違う料理で同時に運ばれるか調べるべきでした。反省しています。 (2)ゴルフで結構長い時間を過ごす食堂に、企業側が関心を寄せるであろう事は充分 推察出来るのですが、少しの情報しか得られませんでした。 A−3フロントや洗面所、風呂などで (1)請求書の名前は誤字がありました。後で気がついたので文字通り"後の祭り"でし た。指摘していたら、どういう対応をしたのか、興味の有るところですが。 (2)洗面所では手を洗っていると、あたりを清掃しているおばさんがさっと、手拭きを 差し出してくれました。2回経験。立ち止まって見ているだけの人にこの様にされたら、嫌みのサービスと感じますが、そうでないところがここの良いところでしょうか。 B. 旅館で、 (1)近くまで来ていながら、夜暗くなって道が分からず、公衆電話を掛けた時の旅館の 対応。 @近くの目印になる建物の名前を言って道順を尋ねたところ、電話口に出たその人から的確な案内が得られました。 A私は名前を告げなかったのですが、先方から「渡辺さんですか?」と問われ、暗にお待ちしていますよ」と言われた感じでした。 B旅館の前で出迎えをうけました。電話を掛けた直後だったのでそれ程驚かなかったサービスですが、後で、それよりずっと前から職員が交代で出迎えに立っていたと 聞いて、びっくりしました。 C手造り風で珍しい料理に感嘆。地酒も口当たりが良く、竹の徳利も趣満点。値段の割に質、量とも大満足。 (2)化石風呂。(1億5千年前のウニの化石が出たことに因んで掘り当てた湯から出た名前)人家は見えず、山並みしか目に入らないので、一瞬深山の頂きに来たかの様な 景色が広がり心地よかったです。ただ露天風呂は、夜は湯が冷たくて、翌朝は熱すぎて入れず、鉱泉故(沸かし湯)のことと諦めました。 (3)対応についてのアンケート用紙を配られました。しっかりと顧客の感想、反応を採 ろうとしている様子が伺えます。しかし強制でなかったので、ベンチマーキングの意味で提出せず、用紙を持ち帰りました。 以上、とりとめもなく、感じたこと、出会った事を列挙しました。 一つ二つの問題は有ったように思いますが、それも上手の手から水が漏れるという感じのもので、全体としてはとても快適な1.5日でした。そして、経営品質に基づく顧客満足の具体的事例を体験できてとても勉強になりました。この様な企画を立てて頂きそれに参加出来た事をとても嬉しく思っています。どうも有り難うございました。 敬 具 この件では経営品質賞の講師をされた方と前日から二人っきりで地酒を飲み、企業を見る目についての話し合いなどをさせて頂きました。その時にも話が出たのですが、私が前日から泊まらなければならない理由はなかったのです。夷隅の関連企業を観るその事のためだけに会社を休んで行ったのです。「実体験」のためです。講師の方はそういう主旨でわざわざ泊まったのが、たった一人であったのを残念がっていましたし、私は、ISOの審査で今まで見たこともなかった企業を診るようになって、毎回とても新鮮な印象をもって家に帰ることの連続です。この経験は何にも代えられない貴重な経験だと実感しています。このことは講師の方が経営品質賞で企業を見ていて実感されていることと同じだと言われ、心強い仲間をもった感じでした。 以上 |
カモ(鴨志田)(286) 題名:CSネットグループ 渡邉さんの感想を読んで
投稿日 : 2000年7月2日<日>23時31分/神奈川/女性 渡邉さんが最後に実体験のことを書かれていました。渡邉さんからこの報告をメールでいただいたあとに、私から差し上げた感想が、実体験の大切さだったのです。先日名古屋でCS講演をさせていただき、実体験の大切さを身にしみて感じたからです。渡邉さんとも実体験の大切さをメールにて情報交換しました。私は、CS研究会のみなさんが、会の中だけの活動にとどまらずに、本で読んだこと、スーパーマーケットの買物のような日常生活の中での実体験を、会の活動にうまく取り入れることができる仕組みが必要だなと感じています。 また、サービスマーケティングという視点から、夷隅ゴルフクラブの経営、旅館での接客は興味深く読みました。サービスマーケティングでは、接客態度がサービスの品質に大きく影響を与えます。ゴルフ場ではキャディさん、旅館では従業員の方々の態度、言葉がとても大切な要因になりますが、とても細かく記述されているのが印象的でした。 他のみなさんのご意見をお待ちしています。 Res:トリトリ(902) 題名:CS4つのキーワード 投稿日 : 2000年7月3日<月>17時11分/長野県/女性/27才 渡邉さんの「実体験」を私なりに4つのキーワードでまとめさせていただきました。 @さりげなさ、気遣い 接客サービス全般、プレー中に芝刈り機に遭遇しないこと、時計の保管法 A丁寧さ、地道さ ゴルフ場のメンテナンス、旅館での出迎え Bチームワーク 売店との連携 Cプロ意識 マナーに関する注意、場内のメンテナンスの他、@〜Bの根底にある要素 なんだか国語の授業みたいですが・・・。私はこのように理解しました。 レジャー施設、宿泊施設はリピーターの獲得が経営の重要課題になると思います。 そういった意味ではこの施設は、(渡邉さんにとって)「もう一度プレーしたい」「もう一度泊まりたい」と思わせてくれる施設だったのではないかと思います。 Res:Eri(日比野)(319) 題名:キーワードは「さりげなさ」 投稿日 : 2000年7月4日<火>14時08分/岐阜県 マーケティングの勉強をしていないので、そういった観点からは感想がいえません。 ただ、私なりに読ませていただいて、「さりげない」「なにげない」サービスと いう言葉が大変気になりました。言われてみて、気づくことですが、お店で買い物を したり、美容院などでサービスを受けて「心地よい気持ち」になるということは、 そのお店がそういったサービスを提供してくれているからです。逆に、不愉快な 気分にさせてくれるお店は、そういう心遣いがなされていないのですね。 当たり前のことですが、改めて実感しました。これから、こういう視点で日常生活を 送っていくと、結構いろんなことに気づいて面白そうだな?と思いました。 勉強になりました。ありがとうございました。 Res:だぁ(島津)(655) 題名:雑感 投稿日 : 2000年7月6日<木>07時04分 渡邊さんのレポートを読んでふと思ったのですが、私の場合ゴルフ場での満足度の8−9割は キャディーさん次第です。フロントの方やその他の職員の方には、何も感じたことはなく、 可もなく不可もなくといったところです。そんな中、言葉づかいの端々に心地よさを感じられた ということは、彼らが相当の教育を受けている証拠ではないかと思いました。 常々思うのですが、ゴルフというのはかなりの制約(ルール)の中で行うスポーツです。 特に、時間的制約は相当なプレッシャーになり得ます。そんな状況の中でいかにお客様にプレーを 楽しんで頂くかがゴルフ場の使命だと思うのです。ルールの説明が素直に聞けたりとか、「ふぁー」の 際の具体的な指示だとか、売店での時間表示というのは、行ってみたいと思わせるに充分な事例ですね。 ただ、名前を間違えていたといううのは、大きな問題ですね。理由の如何を問わず、お客様の名前を 間違えるということは、あってはならないことです。私自身、間違えられやすい名前ですし、 仕事で雑誌や本の制作に携わってきたというもあり、名前には非常に敏感です。現に、名前を間違えられた ことが原因で、10万円の損金覚悟で、保険を解約したこともあります。 幸いにも今週末、ゴルフに行く予定なので、じっくり観察して来ようと思います。 Res:カモ(鴨志田)(504) 題名:みなさん、感想を有難うございます。 投稿日 : 2000年7月7日<金>08時18分/神奈川/女性 CSネットグループのスタートとして、試行錯誤しながらの始まりです。 メンバーでない方も、トピックスを読まれたら、感想を発信してください。 一言でも、感想を発信するということの継続が、大きな進歩につながると思います。 。 Res:万年初心者(石井)(067) 題名:夷隅ゴルフクラブについて 投稿日 : 2000年7月8日<土>01時57分/岩手県/男性/52才 私は、西の方の生まれですが、母親は千葉県夷隅郡岬町の出身で、夷隅と聞くとなんとなく親しみを感じてしまいます。また、あのバブルの真っ最中のころ、母の実家の山林がゴルフ場開発で買収されかかったこともありで、結果的には実現しなかったのですが、そんなこともあって、一度プレーをしてみたいゴルフ場ではあります。 さて、ゴルフ場における接客サービスについてですが、万年初心者の私の場合は、いつもボールを左右に打ち分け、隣のコースや、崖下でのプレーを得意としており、また常にクラブを3,4本持って走っているため、なかなかキャディーさんの側にいることが少ないのです。そんな私のキャディーさんの評価基準は、単純明瞭です。 1、藪の中、池の中でも、一生懸命にボールを探してくれること 2、離れたところでも、走って、クラブを持ってきてくれること 3、前の組が詰まっていて待っている間にも、冗談を言って飽きさせないこと などなど、もっとありますが、要は、お客様への献身的対応の一言に尽きるでしょう。 「経営品質」という観点から渡邊さんの指摘された、数多くの視点は、よく整理されていてなるほどと頷かれます。お客様の安全を確保するために考えられたいくつものルールや工夫、快適なプレーのためのコースやクラブハウスの整備、プレーの遅延を防止するための配慮などはさすがと思います。別の表現で言えば、危機管理であり、品質の向上であり、効率的運営ということになります。 これらの重要な項目を、お客様にそうとは意識させず、「さりげなく」実践しているのだとしたら、これは、やはり、品質賞に値する立派なゴルフ場経営なのだと思った次第です。 旅館については、他の一般旅館と比べた場合どうなのかという点で、少しわからない部分がありましたが、ゴルフ場の旅館というものに泊まったことの無い私としては、これ以上のコメントは控えたいと思います。 先に、消費者、利用者としての自分の評価法を言いましたが、献身的サービスのキャディーさんのなんと少ないことか。プレー終了後キャディーの対応について、良い、普通、悪いの評価をいつも書かされますが、本心から良かったと思える人には、めったにお目にかかれません。願わくは、夷隅ゴルフクラブのような経営者と、ボール探しに懸命になってくれて、こちらが遅延を心配するぐらい動いてくれるキャディーさんのいるゴルフ場で、プレーをしてみたいものです。 Res:カモ(鴨志田)(718) 題名:夷隅ゴルフクラブの経営品質のビデオ 投稿日 : 2000年7月15日<土>11時05分/女性/41才 石井さん、コメントを有難うございます。ゴルフはまだしたことが無い私にとって、キャディさんとの係わりはよくわからないのですが.....夷隅ゴルフクラブの経営品質賞受賞にあたって、経営品質についての説明ビデオを渡邉さんにお渡ししています。興味のある方は、是非、ご覧ください。 |