日野春代

最近イライラピリピリしている人が多くなったように思う。 人ごみでちょっと手が触れただけで睨みつける、怒鳴られる、朝からプラットホー ムで喧嘩をしている若者と中年男性・・・。社会生活を営むための当たり前の「ごめ んなさい」「すみません」「どういたしまして」が素直に出ない。イライラ社会では コミュニケーションがうまく取れない。 半面お店やスーパー、コンビニに行くと笑顔で口を揃え「いらっしゃいませ」「お 待たせしました」「申し訳ございません」「またのお越しを・・」などなどマニュア ル以上の笑顔と態度で応対してくれる。大変気持ちが良いものだ。しかしお客様はそ れに応えて「ありがとう」「お世話様」「大変ね」「美味しかった」「ご馳走様」の ねぎらいの言葉を掛けているだろうか。無言の顧客が多いのではないだろうか。昔に 比べ、人的サービスは各段に良くなっているが、顧客とサービス提供者のコミュニ ケーションギャップは拡大していように思われる。これは「職業的言葉と態度」で商品 に含まれる一つと思い「当たり前のこと」としているから返事は必要ないのだろう か。応えてくれない顧客にサービス提供者はストレスを貯めていないだろうか。 企業の人的サービス合戦は激しさを増すばかりである。昨日できたサービスは当た り前。確かに気持ちの良いサービスは心地よいものだが、従業員は無理をしていない だろうか。社内では社員がCS度を計られ、企業は他社とのCS度を比較される。顧客は 少しでもサービスが気に食わぬと「サービス悪いナー」「あそこはいまいちよ」 そ んな事でというような些細な事で文句を言う。サービス合戦は互いにストレスを助長 しているようにも見える。 一方企業内でのコミュニケーションはどうだろう。上司や仲間は「頑張ってるね」 「ありがとう」「大変だね」と共感し、やる気の出る言葉掛けはしているだろうか。 ESの第一歩は職場でのコミュニケーションだと思うが、従業員視点での言葉掛けは できているだろうか。 CSの基本である「相手の立場や視点に立ってのサービスや商品つくり」を日常生活 でも実行できれば少し心に余裕が生まれ、少しストレスが減るのではないか。職場で も地域でもどんな時でも、どんな場面でも「おはよう」「こんにちは」「ありがとう」 「ごめんなさい」から始めてはどうだろうか。「あいさつ運動」などカビが生えた 古臭いもののように思われるが意外と古くて新しいものなのかも知れない。日常生活 を営む基本は「相手の立場にたった言葉掛け」「双方向コミュニケーション」忘れて はならないと思うこの頃である。 私自身を振り返ればCS研究会やネットグループでの発信があまりできず、反省しき りです。
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