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色はいろいろ変化するー色の対比とは?

森 秀男

               



 色は周囲の色に影響されて、本来の色とは違ったカラーに見える現象が起こります。これを「色の対比」といいます。

  折角選んだ色なのに、美しく見えないようでは台無しですね。洋服のアクセサリーや部屋の調度品のカラーを選ぶ時などではご注意下さい。でも、これからお話しすることを、よく頭に入れておけば大丈夫です。

  対比には、色みの変化が起こる「色相の対比」、明るさが違って見える「明度の対比」、鮮やかさが違って見える「彩度の対比」があります。 順を追って説明します。(補色対比もありますが、特殊ですので今回は省略します)

 1.色相の対比
例えば、赤と黄色の上のオレンジでは、赤の上のオレンジは黄味が増して見え、黄色の上のオレンジは赤みがかって見えます。この様に色みが違って見えますので、色相の対比といいます。

 2.明度の対比
例えば黒と白の上のグレーでは、黒の上のグレーは明るく見え、白の上のグレーは暗く見えます。明かるさが変化しますので、明度の対比と呼びます。

 3.彩度の対比
例えば、鮮やかなブルーと、暗く濁ったブルーの上に、少しだけ濁った青色を置いてみると、同じ青色なのに、鮮やかなブルーの上の青色は、より濁って見え、暗く濁ったブルーの上の青色は、より鮮やかに見えます。これを彩度の対比といいます。

  この様に、色は非常に微妙な変化をして一種の錯覚を引き起こしますので、十分に注意しながら色を選んだり、組み合わせたりする必要があり ます。

  逆に、この様な色の対比現象をあらかじめ熟知しておけば、色を巧みに演出したり、意表を突くような色使いをすることが出来ます。 皆様、どうぞ一度試してみてはいかがでしょうか。