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接客は難しい

鳥居 順子

               



 皆さんは接客業というとどのような仕事を想像しますか?
 飲食店や百貨店などいろいろな場面で私たちは接客されています。

 「店員」もしくは「販売員」と呼ばれる彼ら・彼女たちの仕事は単純そうに見えますが、 実は非常に多岐にわたっています。
そして個人の能力(=販売力)がストレートに数字に表れる非常にシビアな仕事なのです。

今日は百貨店アパレルの販売員を例にとって話を進めていきます。

1.アパレル販売員の一日 
  まずは出勤。前日の売り上げと当日の予算の確認。予算については個人に課せられている場合もあります。
最近は百貨店の休日の削減や営業時間の延長によりシフト勤務がほとんど。
客注やお取り置き、本部からの連絡事項などのコミュニケーションをとるのも一苦労。

  そしていよいよお店での1日の始まり。 お客様の動向を見守り、声掛け、商品説明、コーディネイトのアドバイスなどいわゆる接客を行いながら 店頭在庫の確認(色・サイズの品切れはないのか)、品出し、売り場の整理、バック ヤードの整理。
そして合間を見ながらの日報の作成、(自店売り上げ動向・他店売り上げ動向・お客様の声など)顧客名簿の整理、セールなどのDMの作成。

  そして閉店。お客様を見送り商品整理をして1日が終了。ここから日報や週報の作成が始まる場合もある。
新規商品の入荷があればこれに売り場レイアウトの変更も加わる。
これらの仕事を2〜4人程度でまわしていくのだ。

 2.よい接客とは? 
  何かと忙しい販売員の1日。しかしメインの仕事はやはり接客。そして接客によって売り上げを作っていくこと。
先ほども触れたようにこの接客のうまさによって個人の売り上げは相当差が出てきます。

 「数字を上げる販売員」という方が確かに存在します。
 「すごく押しが強くて買わされそう」とかなんとなく恐いイメージを持つ方もいるかもしれません。実際私も恐れていました。
 しかしトップクラスの販売員さんは決して威圧的ではありません。ただし、接客されている時間は長い。
あれこれ迷われている方に根気よく付き合い、時には世間話をしたり。

  また、顧客のお客様が来店される前にあらかじめその方が好みそうな商品をピックアップしたり。
そういった細やかな気遣いが功を奏しているのでしょう。
あとはボトムを試着されるお客様に一緒にトップスの試着をお勧めしたり雑貨をコーディネイトしてみたりといった「プラス1」 の努力も欠かしません。決して押し付けがましくなく効果的に提案される点はさすがです。お客様も気持ちよくお買い物ができているのではないでしょうか。

  ただし、販売員にもいろいろな人がいるようにお客様もいろいろなお客様がいます。すべての人に同じ接客をしても決してうまくはいきません。いろいろなお客様に合わせていろいろな接客ができるコミュニ ケーション能力の高い方が結局はよい販売員となることができるのでしょう。

  ちなみに私は一人で商品をじっくり選びたい人なので、ぴったりくっついてられるのは苦手です。ぴったりくっつかれると買う 気があっても買わないまま出てきてしまうのもしばしばです。一生懸命そういう信号を送っているつもりなのですが、気がついてくれる人が少ないのが残念です。接客技術だけでなくそういった空気を感じる力もぜひ伸ばしてもらいたいところです。