手島 伸夫
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東北の仙台に2夏仕事の関係でいた。この間に「東北三大祭」に2回行ったのだか
ら、やはり私はお祭り好きなのだろう。三大祭とは「青森ねぶた祭り」「仙台七夕祭
り」「秋田竿灯まつり」で、いずれも数十万の人が出る。
日経新聞の「なんでもランキング」で、行ってみたい夏祭りのベストテンに東北が五
件も入っていたので、びっくりした。全国には、さまざまな祭りがあり、それぞれ地
域に根ざしているものだから、もう少し票が全国で割れてもいいように思う。しか
し、ベストテンには、以下の5つが入っている。
1位 青森ねぶた祭り (8月2日〜6日)
2位 仙台七夕祭り (8月6日〜8日)
4位 弘前ねぷたまつり (8月1日〜6日)
7位 秋田竿灯まつり (8月3日〜6日)
10位 山形花笠まつり (8月5日〜7日)
実は、東北の夏祭りは、盛岡の「さんさ踊り」(8月1日〜3日)で始まると僕は思っ
ている。これは最近JR東が、ポスターにしているので、目に付く。この祭りも私は
好きだ。浴衣を着た踊り子さんたちが、太鼓を抱いて踊るのであるが、それはまた太
鼓の人数が多く見事である。説明には3000個の太鼓が出る、と書いてあったが、太鼓
というと勇壮な踊りを連想するであろう。しかし、主に浴衣の若い女性が多く、これ
を叩きながら踊るのは重労働だと思うのだが、それほど汗まみれにもならずに「ドド
ンド、ドン」と舞う。その姿が美しい。どんな由来で始まったのか知らないのでその
うち調べて見たい。その昔、南部藩も「やませの冷害」に苦しんだところである。こ
うした余裕を持てるのは、人々の喜びだったであろう。
東北の三大祭りは、ほとんど8月2日〜8日の間に重なっている。最初は、なんでばら
ばらにやってくれないのか、と勝手なことを考えて不満に思っていたが、一度に廻っ
て見ると、全部思い切って見て廻ることができ便利なことがわかった。
仙台七夕祭りは、私が勤務していた場所が藤崎デパートの近くで、もう祭りの場所
だったから、慣れてしまった。東北の仙台人らしく、七夕の下を浴衣など着て、ざら
ざら歩いているだけの光景がなつかしい。静かな祭りである。
祭りは、何といってもやはり青森ねぶたである。あのねぶたの大きさと華やかさはや
はり一生に一度見るべきである。ねぶたは、青森港に面する広場の特大・特設テント
で雪の降っている内から作っているのを垣間見ると楽しい。本当に一年間、ねぶたを
楽しみにして生活している人々がいるのだ、ということが、雪の中のねぶた作りで分
かる。
祭りの当日の「跳ね人(はねと=踊る人)」の多さにも驚いた。男も女も浴衣に赤い
腰巻という派手な姿で、鈴をいっぱい付けて、踊っている。そして見ている人達に、
時々投げて遣すのである。いい声をかけると10個や20個集まるが、踊っている人達
は、いったいいくつ鈴を持って、身に付けて入るのだろう。この鈴投げが、テレビで
は分からないことだった。青森ねぶたのように人が集まる場合、宿泊が一杯で、でき
ないからみんな行けないのだとおもう。宿泊をかなり遠いところに取ればいいのであ
る。少なくても弘前より遠くに取るのである。ねぶたの場合、市内にかなり広い無料
駐車場をいくつも用意してあるので、そこまで車で昼間に入っていれば良いのであ
る。そうして会場まで30分程度歩くのがコツである。祭りが終わったら車で帰れば
よいのである。あるいはこの祭りの日だけ深夜の「ねぶた列車」が近隣市町村まで、
通っている。
ねぶたを見たら、ちょっと仮眠して翌日その足で「秋田竿灯まつり」に行くのがい
い。やはりこれも県庁傍の無料駐車場が広い。夕方までには入って置いて、焼き鳥で
も食べながらゆっくり祭りの開催を待つのがいい。「竿灯まつり」は、技の祭りであ
る。あの高く、重い竿灯を風に揺られながら、持っているのは日々の練習以外にはは
いだろう。通りいっぱいにそれぞれが自分の技を見せ、競い合うのはすばらしい。風
の強い日は、更に大変である。強風にあおられた竿灯は、ばたばた倒れて燃えるが、
地元の人はあわてず、ぐっと竿を揺らすと火が一度に消える。それをまた提灯の一
つ、一つの蝋燭の付け直して、立ち上げるのである。祭りの終わりに見学者に竿灯を
持たせてくれるが、とてもまともに持ち上がる重さではなかった。
「静の仙台七夕」「動の青森ねぶた」「技の秋田竿灯」であった。これからは、暗闇祭りという異名を持つ秋田の「西馬内盆踊り」に行きたいなと考えている。
皆さんの中には、それぞれ地元の方もおいでになると思います。お祭りの歴史、エピソードなどを教えてください。
なお、これらのお祭りは、僕のホームページに出してあります。ご参考までに
http://www.dab.hi-ho.ne.jp/tejima/sub12touhoku.htm
いかがですか、一度その熱気の中に身をおいて普段の日常を吹っ飛ばして見てはいかがですか。
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