TOPICS 373   BACK

震災ボランティアツアーにおけるCS(2)
西村 直泰



次に紹介するのは、9月に参加したボランティアツアーのCSへの取り組みです。
このツアーは、地元(被災地)の某T旅行社主催のボランティアツアーで、1泊2日、 土曜日の昼前に仙台駅前を出発、被災地で1泊、翌日曜日の夕方近くまで活動し、 夜に仙台駅前解散というものでした。

ボランティア内容は、海苔の養殖業再開のための、網作りや筏作りのお手伝いで、実作業時間は、 1日半のボランティア期間中に約9時間でした。
このツアーでも、大きく2つ、CS向上のための取り組みがありました。

1つは、ボランティア参加者、被支援者、 その他の被災者の三者の満足を達成しようとしていることでした。
第1回でも書きましたが、震災ボランティア参加者から寄せられる不満の多くは「もっと重労働を」 のような仕事内容や仕事量に対するものです。
海苔の養殖業再開のための、網作りや筏作りのお手伝いは、男性にとり、それほど重労働ではありません。 しかし、不満の声は少なく、満足の声が多かったツアーでした。
その要因は、被支援者(ボランティアの依頼者)と一緒に作業をしたことにありました。
海苔養殖用筏は全て流されてしまい、1からの再開だそうで、 一度はこのまま漁師を辞めようと思われた、とか、いろいろな話を聞かせて貰いながら、 作業を教えて貰い、一緒に作業をするという一体感が満足の要因だったのです。
また、この旅行社はボランティアの被支援者だけでなく、被災地全体に目を配ろうとしていて、 いろいろと交渉して被災地にて宿泊、というコース設定をしていました。
災害からの復興を目指して頑張る人を応援するためのツアーだからだそうですが、 被災地に宿泊するという事も、ボランティア参加者からすれば満足を得られる事です。

もう1つは、HPで公表すべき事ではないのかもしれませんが、いろいろな場所(被災地) をツアーと称して、見学に連れて行ってくれたことです。
前回紹介したボランティアツアーでも、目的地まで行くのにちょっと遠回りして、 車中から見学させてくれましたが、バスから降りて、じっくり見るということはありませんでした。
このツアーでは、ほんの30分程度を2回でしたが、津波被害の凄まじさを物語る場所に連れて行き、 以前はどうで、津波の後は何も残っていない、などの説明までしてくれました。確かに、 TVなどマスメディアの報道で見てはいますが、大自然の猛威を目の当たりにした私達は大満足でした。
これもやはり、立派なCSだと思います。

以上が第2のツアーから感じたCSで、主催旅行社が地元ということもあるのでしょうが、それ以上に、 復興を目指す多くの人への気配りを感じたCSでした。

この2つのボランティアから感じたCSの差異について、次回コラムで考えてみたいと思います。