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やはり付随的サ-ビスも商品の核だった
ブランドロイヤリティは重要な無形資産
松井 かほる



知人の誕生日祝いに日記を購入しようと買い物に出かけました。
アクセスの関係で最初に大手の書店に出向き、目当ての日記もすぐに見つかったので、早速レジに向い、 ギフト用のラッピングをお願いするとともに、 外箱に印字してあるプライスを目隠ししてくれるようにお願いしました。
レジで私に対応してくれた男性の方は、「黒のマジックで塗りつぶす」あるいは「白いシールを貼る」 という方法を提案してくれました。しかし、 シールの粘性は強いものではないので剥がれやすい事を付け加えてくれました。
マジックでの目隠しは好まないので、シールにするためにシールの粘性を目の前で見せてもらいましたが、 白いくて薄めであることから、透けて見えそうでした。それで、 他にもう少し厚めのシールはないかと尋ねたところ、「ない」とのこと・・・
残念ながら探してもらえませんでした。
一旦入金はしたものの、何か心にひっかかるものがあったので購入をあきらめ、 今度は大手の文房具店に出向きました。
早速売り場で同じ日記を見つけ、先ほどの書店で希望したように、 レジでプライス部分の目隠しの依頼を担当の人に伝えました。
こちらの店では、今回のような要望の時には決められた対応といった感じでした。 シール対応には変わりはないものの、 やや厚手でシールの粘性も強めですぐには剥がれる感じではありませんでした。それで、 この文房具店で購入しました。
この日記、実は「10年日記」です。私自身も同じものを使っており、 家の私の日記には今回買い求めたほうの文具店のシールが貼ってありました。

私としては、書店と文具店の違いはあれ、いつも信頼して利用している販売店であり、 ほとんどどちらの企業にも同じようにロイヤリティを持っていたので、 私の書店に対するロイヤリティとこの度の担当者の対応のギャップに少々ショックを受けたのは事実です。 そして、文具店に対しては「やっぱりここは、裏切らなかった」という気持ちになりました。
今回の事、決め手はシール自体の違いもさることながら、 担当者の対応の違いが大きかったように思いました。もし、最初の書店の担当者が、 最終的にその方法(シール)しかないとしても、お客様である私のお願いに対して、 代わりの方法が提案できるか考えるといった努力してくれていたら、 私は担当者の努力に満足して書店で購入していたでしょう。
私は「ていねいな対応、行き届いた配慮等」を期待していたんだとわかってきました。

販売業務では単に商品(サービス)の売買(提供)だけではなく、 それに付随するサービスの品質も非常に重要であり、せっかく苦労して作り上げた商品(サービス)も、 それを支える付随的サービいかんによっては元の商品の評価に大きな影響を及ぼすことがあるのです。
付随的サービスは、本来の商品(サービス)だけでなく、 企業ブランドをも大きく育てるためになくてはならない乳母的な存在のように感じました。
顧客が満足を感じるのは、期待を上回る商品・サービス等の提供を受けた時である」 ことはCSの基本ですが、顧客の「期待水準」が具体的にどのような基準で、「上回る」 とはどんな尺度で図っているのでしょうか。
商品(サービス)だけにとどまらず、自社が顧客からどんな期待をされているかを意識し続け、 常に新たな価値を創り出しそれを顧客に伝達していく事が企業の無形資産の蓄積のために重要だと 改めて感じています。