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我が家の出来事から--確認するということ

     日野 春代





 我が家のFAX番号はJR○○車両部車両課と一数字だけ違うようだ。○○系車両を開 発する時点でこのFAXが設置されたらしい。それ以来悩まされている。年に4〜5回、 多い時には10枚にも及ぶFAXが送られてくる。○○の不具合について、○○の検査結 果について、合同会議の開催について・・・・等々。送信元はすべてよく耳にする有 名企業。それもほとんどが午後8時過ぎから遅いときには10時を廻っている。

   「このFAXを送ったら帰えれるぞ」「やっと間に合った」・・・。サラリーマンの ご苦労が伺える。翌朝、JR側から「FAX届いていないけど、どうなりましたー」「ア レーおかしいな。申し訳ありません。もう一度送ります」番号を2度ほど確認して送 信。さらにJR担当者に確認の電話をかけるだろう。なぜ、届かなかったのか、どこに 送信してしまったのかは、ちょっと気になりながらも忙しさにまぎれ、この件は一件 落着。我が家としては送信記録があるのだから「申し訳ありませんでした」のFAX1本 よこすくらいの気配りはあってもよいと思うのだが。先方にしてみれば名前も分から ず、声すら聞けない相手にお詫びのFAXは気味の悪いことだとも思う。かえってトラ ブルにならないかと変な憶測もするだろう。何事もなければそっとしておきたい気持 ちも分かる。こちらから一声かけてあげれば親切と思いつつ(最初の2,3回はした) 「へー安全運転にはこんなことまでやっているのだと感心したり、内部事情を覗かせ ていただいたり」と。この件については双方それぞれ「まあしょうがないか」の思い でで決着している。

 しかし誤送信のFAXは内容や受け手によってはかなり重大な事件に発展する可能性 が十分予想される。FAX可能な書類の選別、番号の確認等の最低の危機管理は必要と 思う。

 葬儀後のアンケートを年間1000通程見ているが、そのうち20%ほどがご要望 やご意見である。これらを突き詰めてみれば社員間、お客様と社員、社員と業者との あらゆる場面でのちょっとした確認を怠ったがために起きたと思われるケースが多い。 ひと手間かけることでケアレスミスが減り、仕事がスムーズに、お褒めに繋がり、苦情 処理に時間をとられることはないのになーと思う。確認作業には「目で確認」「指さ し確認」「声だし確認」があるそうだが、それぞれの職場や職種において、おのおの 独自の確認方法を工夫すればお客さまに対しても社内顧客に対してもよい結果が出る のではなかろうか。  確認作業はどんな場面でも基本といつも心する我が家の出来事である。

 余談であるが「めがねどこに置いたっけ」「何をとるために立ち上がったんだっ け」「ガス消してきたかしら」私のように歳をとるとこのようなことがしばしば起こ る。物忘れ防止にも「声だし確認」、「指差し確認」が非常に有効であるそうだ。