鳥居 順子

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東京のビジネス街の代表格であった丸の内が今,トレンドスポットとして注目を集
めています。9月6日にグランドオープンした丸ビルを中心に,その丸ビルを起点に有
楽町方面に向かう丸の内仲通りはブランドストリートとして生まれ変わろうとしてい
ます。
マスコミ報道によるとオープンの滑り出しは順調であるということです。
このレポートはオープン2日目の9月7日(土)の夕方とつい最近の平日の8時ごろに私
が体感した内容をレポートしたいと思います。
まずは丸ビルと丸の内仲通りを簡単に紹介したいと思います。
丸ビルは東京駅の丸の内南口から徒歩1分で地下通路で直結しています。B1はデ
パ地下のようなお惣菜・お弁当・お菓子・お土産,そしてドラッグストアやコンビに
もあります。1F〜4Fはファッション・インテリアのショップ5・6Fと35・36Fはレ
ストランといった構成になっています。
その間にはオフィスが入居しています。
そして丸の内仲通りは別名「ブランドストリート」と呼ばれ「プラダ」や「エンポ
リオアルマーニ」の海外有名ブランドのショップや「トゥモローランド」や「エポカ」
といった国内のセレクトショップが軒を連ねています。また,年末にはとおり全体を
ライトアップする「東京ミレナリオ」の会場としても有名です。
丸の内仲通りにブランドショップが出来始める前は私は丸の内にほとんど行ったこ
とがなかったので比較することができませんが,丸ビルができることによってビジネ
スオンリーだった街が様々な人が様々な目的で訪れる場所に変わったのではないかと
思います。
実際,休日は家族連れやカップル,平日の夜は会社帰りのサラリーマンやOLが目
立ち,平日の昼間は主婦のグループが多いと聞いています。オープン当初のものめず
らしさも手伝っているかとは思いますが,交通アクセスの良さを考えるとある意味当
然の結果であるともいえます。
ただ,このような状況が供給側の当初のねらいと合致しているのかというとそれは
ちょっと違うように思います。
私の見たところ,丸ビル内のショップ・レストランは品揃え・価格帯の両面から見
て20代後半から30代後半でしかも可処分所得の高い女性(及びそのパートナー)にター
ゲットを絞り込んでいるように感じたからです。
具体的に言うと,食の面では,海外旅行・国内旅行共に経験豊富な彼女達の舌を満
足させるワールドワイドでこだわりの味を持ったレストランのセレクト,ファッショ
ン面では,OLに人気のショップを網羅しつつも「丸の内らしさ」(上質で高感度が高
く,通勤に適しているものといったところでしょうか?)のオリジナリティがあった
り,物販が9時,レストランはほとんど11時までと営業時間も長く会社帰りでもゆっ
たりと買い物や食事を楽しめるところなどが挙げられます。
そして供給側のもう一つのねらいとしては丸ビルに集まった人が丸の内仲通りに流
れて,街全体が活性化していくことだったと思いますが,私の印象では丸の内仲通り
の人通りの量はあまり変化がないように思います。もちろん気軽に見て回るといった
雰囲気のお店ではないのですし,人であふれ返るというのもおかしな話なのですが。
私の想像では土地感のない人が丸ビルに集まっているため,なかなかこちらまで人が
流れていかないのではないかと思います。
今後の見所はターゲットに合わせて客層が絞られていくのか,多種多様なお客様に
合わせて供給側が変わっていくのかどちらに動くのかということです。いずれにし
ろ,街も生き物なので必ず変化していきます。今も建築中の場所は多く見られまだま
だ期待が膨らむこの街をしばらくは注目していきたいと思います。
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