働く母は綱わたり
三原文乃
7月6日の朝日新聞にポピンズコーポレーションの中村紀子社長の
話が載っていた。ベビーシッター会社の大手だが、最近民間企業として
認可保育園の経営をはじめている。
この記事を見る何日か前に、ある保育園が保育の様子を動画で
パソコンや携帯に配信するサービスをはじめたとテレビで伝えていた。
その番組を何気なく見ていた私は、すごいサービスをはじめる保育園が
あらわれたと感じていた。
絶対、民間の保育園に違いないと確信していたのだが、この保育園がポピンズ
コーポレーションが経営する保育園だった。行政の管轄する公立保育園では、まず、
こんな発想は浮かばないし、万が一、浮かんだとしても、公務員でもある保育士の
賛同を得るのは無理だと思われる。乳幼児は病気の連続である、朝、熱がなくても
調子が悪そうだと心配しながら、保育園に預けることになる、我が子が元気そうに
遊んでいる姿を見れば安心するし、やはり、元気がなさそうなら、その日の仕事の
調節、シッターの手配も可能になる。まさに、働く母親の気持ちを考えたサービス
だと思う。
保育という事業は、まだまだ行政主体である。私も2人の子供が小学生になった
とはいえ、いつ病気なるかわからないという綱渡りの気持ちの中、働いている。まし
て、
乳幼児の働く母親は、病気との戦いである。
そして、小学生になると、病気は減るが、多くの学童保育は3年生までと、4年生
以上の
小学生は、この長い夏休みも家で一人で過ごす子供達も多いに違いない。この時期を
乗り切るために、働く母達は塾の夏期講座、スイミングスクールの夏期講習にと頭を
悩ます
ことになる。 小学生になったら、なったで綱渡りという気がする。
2001年の合計特殊出生率は、1.33と過去最低である。今、30代後半、40代
の子供を
持つ働く母親が、綱渡りをしながら仕事をしている現状をみれば、20代、30代前
半の
若い世代の女性が子供を持ちながら働くより、生まないで、または40代までキャリ
アを
築いてから生みたいという選択をするのは、当然のような気がする。
まして、男性もいつリストラされるか、わからない時代である。私の知人の30代
前半の
夫婦も「恐くて子供が作れない」と言う。
私達がすんでいる日本が、子供を持つことがリスクになるような国になって欲しく
ないと
強く思う。そのためには、中村社長のように民間の発想で、働く母親のセ-フィティ
ネットが
もっと、もっと充実されないと少子化はますます進むのではないだろうか。
|
|
|