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広電における正社員と非正社員のCS/ESについて

川井 信友



私の出身は広島で、中学・高校時代は広島電鉄(広電(ひろでん)と呼んでいます)の路面電車(1番:広島駅〜宇品港 (現在は広島港)で御幸橋下車)で通学していました。
NHKテレビのクローズドアップ現代及び朝日新聞のbe(1月23日(土):フロントランナー)で、 広電の労組が全契約社員を正規雇用する活動が載っていましたので、紹介します。
簡単に下記に紹介します。(J-CASTニュースより抜粋)

題:広島電鉄、若手と非正社員「賃上げ」、ベテラン社員「賃下げ」

2000年にバスや電車の現業職に、1年毎に雇用契約を更新する契約社員制度が導入され、翌01年からは、 現業職については契約社員しか採用していない。全部で約1,300人いる従業員のうち、約150人が契約社員である。 月額賃金は運転手が23万1000円、車掌が19万6500円で、何年勤務しても昇給はない。入社から3年たった契約社員は、 試験に合格すれば「正社員U」と呼ばれる身分に昇格するが、契約期間の区切りがなくなるという点以外は、 労働条件は同じである。現在、「正社員U」は150人在籍。「正社員U」と契約社員と合わせて計300人は、 全員普通の正社員になる。具体的には、年齢や能力に応じて昇給するようになるほか、退職金制度も導入される。

一方、約890人いる管理職以外の正社員のうち、ベテラン社員260~270名は「賃下げ」となる。 従来は60歳だった定年を65歳まで延長した上で収入を得られる期間を長くして、年1割ずつ、10年かけて減額する。

また、契約社員制度が導入される直前(98~99年頃)に入社した正社員は、現在の運転手の月額賃金は20万7000円 (ボーナスはあり)と契約社員より待遇が悪いので、若手には「賃上げ」となる。

2008年10月に、労働組合より提案し、2009年3月に会社側も同意(人件費の総額を約3億円増額)した。

広島電鉄労働組合委員長(佐古正明さん)は、提案理由として「同じ仕事なのに待遇が違う。 どうみても不自然なことを放置すれば職場は持たない」をあげています。待遇に差があると、だんだん低い方に合わせられ、 会社の業績が悪化すれば、低い人たちは、高い方を「あなたたちが恵まれすぎているからだ」と責め、 低い方が多数派になったら、従わざるをえなくなる為だそうです。
また、組合委員長は今回のメリットを下記を上げています。

メリット
@職場が真っ二つ(正社員と非正社員)になる恐れがなくなった。
A「契約社員だから」と腐っている人がなくなり、生産性があがった。
B乗客から苦情が減った。(働きがいが向上して、接客態度が向上した。)

私の意見・感想
非正社員を正社員化し待遇を正社員と同じにすると、企業にとっては人件費の負担が増し、正社員の給与を下げる必要がある為、 組合から提案し実現するまで大変な苦労があったと思います。
運転手と車掌のどちらかが正社員と非正社員で仲が悪かったら、電車の安全運転にも支障をきたすし、 逆に社員化により従業員満足(ES)が向上すると、接客態度が向上し、顧客からのクレームが減り、顧客満足(CS) 向上につながり、ひいては企業業績向上に結び付くと思います。
「格差社会」の中で、若い人が正社員になり安定した給与が得られ、安心して働き、子育てができる環境(社会) を作っていく必要がありますが、広電の例は参考になると思います。(なかなか難しい問題ですが、・・・)