手島 伸夫

JR東日本のことを何回か、「間抜け列車」とか、「頭なし列車」とか、面白おかしく、批判的に書いてきた私ですが、
今日は褒める記事を書くつもりです。
実は、今この原稿を、青森の新幹線の臨時の緊急ホテル列車の中で書いています。
今日は昼ごろから、青森市内で研修の仕事をしていたのです。研修所は、新しい建物で、窓の外の木の揺れ方から、
かなり風が強いのは分かりましたが、あまり心配していませんでした。その青森の仕事は、
夕方の5時で終わって横浜の自宅に帰る予定でした。
帰りの列車は、青森駅17時43分発の「特急・白鳥」で八戸に行き、八戸で東北新幹線に乗り換えて終点東京まで、
そこから東海道新幹線で新横浜まで乗って、夜の10時半には我が家で晩酌をするという予定でした。
函館から来た「特急・白鳥」は、強風のため11分遅れで、青森駅に着きました。そのまま、11分遅れで出発して、
列車の中でウトウト寝ていたのです。突然列車が止まって、アナウンスで起こされました。出発して30分ほどのことです。
「強風のため安全確保の臨時停車」ということです。
なるほど窓の外を見ると、それは台風並みの強風で、木の葉が飛び散っています。30分たっても、動きませんが、
外の状況を見れば無理の無いことが分かります。アナウンスも、適切に時々情報を伝えます。
みんな八戸からの新幹線乗り換えが心配になるころに、
「いつ動けるか、分からないので新幹線の乗り継ぎも、現状では分かりかねます」と言うアナウンスがありました。
何回か、車掌が回ってきて、「残念ながら詳細はまだ分かりません」と言いながら、説明していました。
とても感じがよかったです。その車両には、パソコン用電源もあったので、パソコンも十分使えましたので、
その時間に仕事をこなしながら、充電もできたのです。
やがて、2時間を過ぎたころに「この電車は2時間以上遅れたので、特急料金は払い戻します」という案内がありました。
途中で止まっていると、どのくらい止まっているか分からないのです。
「もう、2時間もたつのか!」と思っていたら、2時間20分ほどで動き出しました。
ところが、八戸についてみると「もう上りの新幹線はありません」と言うアナウンスです。
しかし、駅には10人ほどの駅員が待機して、切符の遅延証明などの事務処理をテキパキとしていました。
また、普通の待合の椅子だけでは足りないと判断したのか、パイプ椅子が多数並べられて、座れるようにしてありました。
また、回送列車を使って、盛岡までは乗せると言うアナウンスがあったので、それを1時間ほど待つことにしました。
そんな訳で、別の臨時ホテル列車の中で、パソコンを開いてこの記事を書き始めると、駅員さんが毛布を配ったり、
お弁当を配ったり、臨時列車のホーム変更のお知らせに頻繁に来ます。そんな時でも、笑顔を忘れません。
この日は、私は結局、臨時列車で盛岡まで行って、そこでホテルに泊まりました。でも、翌日仕事が入っていなくて、
本当のよかったです。
トラブルは、どんな時でも起きる可能性がありますが、その時の「対応と情報提供」は、
現場がどのくらい自由裁量できる権限を持っているか、によって決まるでしょう。
重要なのは、顧客満足視点で、現場の職員に権限委譲(=エンパワーメント)されているかどうかです。
今回のJRの対応は、充分合格点です。そういうサービスに会うと、災害の中でも乗客はほっとします。
JR東君も、JR国鉄からだいぶ大人になりましたね。おめでとう!!そう思います。
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