日野 春代

生損保各社の不払いや取り過ぎが社会問題になっている。
我が家で不信感を持った出来事が2つある。一つは医療保険。2年前、夫が内視鏡の手術をした。医療費の請求をしたところ、
手術前から投薬治療をしていたので、適用外と言われた。何時間か経って、
「やっぱり支払われますので、請求書類一式送ります。」と電話があり、支払われる事になった。
請求にはダブルチェックをしているのか、担当者が念のため確かめたのか、どういう経緯で、
電話がかかってきたのかは不明である。本当にすべての契約者に公正に支払われているのだろうかなど、
疑問は残ったままである。
二つ目は火災保険である。1ケ月ほど前に、満期のお知らせがきた。
封筒の中には「現契約とお勧めプランの記載があるA4版1枚の案内文」と
「ご契約いただくお客様への重要事項のご説明」の2種類の書類が入っていた。案内文の文中、
現契約の下に*「現在の保険金額が多くつけて頂いていた様なので、今回保険金額の見直しをしております」
*「差額保険料に関しましては、後日返金させて頂きます」との一文がある。分かりにくい文章である。
代理店の担当者の説明によると「マンションの共有部分は、管理組合で保険に加入しているので、
専有部分の保険料だけでよかった。現契約は共有部分の保険料まで頂いていた」とのことである。
それなら、「多くつけていただいていた様なので」ではなく、
「取り過ぎていましたので」とか「間違いで多く払っていただいていたので」がわかり易い文言ではないのか。
後ろ向きで、責任の所在を曖昧にしたい気持ちが、文章に表れているように思える。
丸30年間、多く払い過ぎていた事になる。5年毎の契約更新時に言われるままに、また、保険会社も見直すこともないまま、
見過ごしてしまった結果である。同じマンションに住む方が気づき、発覚した次第である。
分かった時点で、すぐ見直しや返金の手続きをするのが本来の姿で、満期ぎりぎりで見直し、再契約を先にして、
「返金に関しては本部から書類が届きます」、は順序が逆である。
5月12日の東京新聞1面に「生損保への苦情40万件」。小見出しに「9社 昨年度より倍増」の記事があった。
これだけの苦情があるということは、仕組みが非常に解りにくく、ややこしく、知識の格差が大きすぎる所以であると思う。
だから入り口でも出口でもいいかげんになるのではないか。記事の中で、一つ明るいニュースがあった。
苦情から問題を見つけるため、消費生活アドバイザーを交えて分析する保険会社があるとの事。
消費生活アドバイザーの本領を発揮し、消費者志向企業となるための手助け、
そして消費者と企業のよき橋渡しが出来る活躍を期待したい。
我が家の火災保険については、どこまで見直す事が出来るのか?「満期終了した保険でも契約書は保管」が教訓として残った。
処分してしまったのが悔やまれる。自己責任という言葉を頭の隅に置きながら、
「ご契約内容確認シート」でチェックをして再契約をした。
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