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新聞広告から
〜 賢い主婦の「エコ買い」とは 〜

日野 春代



年末、ハッとさせられた新聞広告があった。
「賢い主婦はスーパーで、手前に並んでいる古い牛乳を買う」の一文が載った全面広告である。 主婦暦30数年の私は「奥の方から新しい牛乳を買う賢い主婦」だと思っていた。エッと思考が止まり、 ドウユウイミとしばらく考えた。解らない。説明をじっくり読んでみた。「自宅では賞味期限が過ぎて、 捨てるにはもったいないから、古い牛乳から飲む。しかし、スーパーでは、奥にある新しい牛乳から買う。 新しい牛乳から売れるとその分、古い牛乳は売れ残こる」。だから「賢い主婦は売り場の手前にある牛乳を買う」 ということである。日本新聞協会主催の「2006年新聞広告クリエーティブコンテスト」で最優秀賞に輝いた、 若きクリエーター畑中大平氏の「エコ買い」という作品である。

日本では毎日2000万人分の食料が賞味期限切れの理由で捨てられているそうである。1年では天文学的な数字になる。 農林水産省と厚生労働省の資料によると、 一日に国民一人当たりに行き渡っている供給カロリーと実際食べている摂取カロリーを較べると3割近い差がある。 3割は食べ物を残したり、捨てたりしている事になる。この無駄を無くすと40%ほどである食料自給率もぐんと上がるそうだ。 不二家の問題では賞味期限切れから食品が捨てられ、鳥インフルエンザでは鳥や卵を処分し、 異物混入では食品が回収されている。その量や膨大である。飢えで苦しむ人々が頭によぎる。本当にもったいないことだ。 今に天罰が下りそうだ。

この広告の一文の先に見えるのは、大量生産、大量供給、飽食、焼却処分時の環境負荷、温暖化、南北問題・・・・ と繋がる環境問題の奥深さである。古い順に買うのがエコ生活の始まりなのだと言う、視点は衝撃的であった。 今後もこのような若い新鮮な視点で「環境問題」をアピールして欲しい。 その気付きを実践できる柔軟な生活感覚を持ちたいと思う。「エコ買い」、私はまず冷蔵庫の中から始めてみようと思う。