羽利 泉

頭ではわかっていても、できない日もあった。
CSはESから、ESなくしてCSなしとまで言われるが、「ローマは一日でならず」のように、管理者や組織の体質が、
短期間で劇的に変わり、働く人の満足、働き甲斐が急に得られるようになるとは考えにくい。私自身、
仕事にやりがいが感じられないことを、上司や組織のせいにしたりした時期もあったが、個人面談時の上司への地道な交渉と共に、
結局は、自分のモチベーションは自家発電(?)で高め、そしてお客様や仲間と接するというのが常だった。
(皆さんはどうですか?)
ある記事の中で、「上機嫌な部下は上司に自信を与える」というくだりを見つけた。久しぶりに目から鱗がはがれる体験だった。
職場では、明るく、意欲を持って、仕事を楽しむことは周囲、特に仲間やお客様に対していい影響を与えることはわかるのだが、
上司にもいい影響を与えるとは新しい考え方だった。上司だって、判断に迷うこと、
目標が達成できないかもしれない恐れにさいなまれることも多い訳で、ツライのだ・・・。そんな時に、
部下にふてくされた態度をとられたり、冷たい態度をとられたりしたらボロボロになってしまうだろう。実際、
そんな大人気ない態度で接することはないまでも、自分を省みると、決して、「すごく上機嫌」
に仕事をしてきたとは言い切れない。しかし、今思い返せば、
職場が活気づいているのを目を細めて見ている上司は多かったと思う。
そして、何か差し入れが、なんてこともあったような・・・。
楽しそうな上司を見て、また頑張ろうと思ったこともあったし、そんないい循環を実感したことも多い。
先に上機嫌で仕事をするのはどちらでもいいのだが、私たちは自分の態度を自分で決めることができる。
私たちが上司の態度を決めることはできない。
いつも自分のやりたい仕事ができている人ばかりではないと思う。
しかし、その職場を選択しているのも自分であり、どんな態度や心がけで、仲間や上司と接し、
お客様と接していくかも自分で選ぶことができる。
ありきたりなルーティンワークやコミュニケーションの中に遊び心を取り入れてみたり、仲間との関係においては思いやり、
いたわりあい、励ましあい、和みあい、結構できることもある。そして、自分を求める仕事へは、
いつでもスタンバイOKで今か今かとワクワクしながらその機会をうかがっている。そんなことだっていくらでもできる。
そんなことの意味がわかるようになった頃になって、私は転職をした。
転職後、会社や組織の文化、上司が変わり、小さなやりとりの中で、
コミュニケーションのギャップやエラーが生じることも多くぐったりしてしまうこともあった。別の工夫が必要になってはいるが、
いつも、自分で選んだことには責任を持ち、「上機嫌」で仕事をすることは心がけていきたいと思う。
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