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コーチングスキルから「存在承認」を考える

山下加津子



 ここ何回かコーチングについて書いてきておりますが、仕事においても接遇研修だけでなくコーチングスキルについての研修も承ることが多くなってきました。私もまだまだコーチングについては学びの途中ですが、いろいろな方にセミナーの場で伝えることで参加者からの学びもあり、少しずつですが自分自身の理解が深まっているような気がします。

 コーチングは相手の自発的な行動を促すためのコミュニケーションであり、目標達成に向けてのプロセスをテーマとしていきます。しかし、一連のコーチングの流れを全部行わなくても、日常のコミュニケーションに活かしていけるスキルが多く散りばめられています。そのなかでおすすめなのが「存在承認」のスキルです。コーチングではアクノリッジメントと言っていますが、つまり、「あなたがそこにいるということを認める」ということです。これは私自身の経験ですが、「おはよう」とあいさつをしたのに無視されたらなんだか存在を否定されたような気がします。ここにいてもいいのか?と急に不安になり居心地が悪くなります。でも、元気のよいあいさつが返ってきたら堂々とそこにいることができるような気がします。あいさつをする、声をかける、相手の話をちゃんときく、お名前で呼ぶなどは代表的なアクノリッジメントです。

 そして、もう一つ、私が気に入っているアクノリッジメントは「ありがとう」という言葉です。「ありがとう」という言葉は「あなたが○○してくれたことを私は知っています。」という意思表示で、行動そのものを肯定するアクノリッジメントの言葉だと思います。少なくとも私は自分の行動について承認を得られたような気がします。そして、自信にもつながるし、次の行動にもつなげていくことができます。

 自信につながると言えば、「ほめる」というコミュニケーションもアクノリッジメントであり、私も大好きです。ただ、ほめられるのは大好きでもなかなか相手をほめるのは難しいものです。そんな私が最近実行しているのは「ポジティブ・インテンション」です。聞きなれない言葉ですが、観察した事実をそのまま伝えるというものです。つまり、メールが届いたら「メールが着いたよ」、相手が時間通りに来たら「時間通りきてくれたね」、花が活けてあったら「お花が活けられてるね」と、見たまんまを言葉に出して伝えるというものです。"ポジティブ"ですから、表情などは肯定的に笑顔などでいうのがポイントです。なかなか成果が上がらないため相手をほめにくいこの時代ですが、私たちは認められると言うことを欲しています。日常の中で相手をアクノリッジメントしていけるこの方法は使いやすく、私もよく使っています。「気づいてくれてありがとう」こういう存在承認の言葉が返ってくるのがまた私のモチベーションUPにつながるのです。